いてE

月〜金での勤め人にとって土曜や祝日も出勤させられることは「ブラック」かもしれないが、デザイン会社勤めの人にとっては割と「あるある」では無いだろうか?
私もご多分に漏れず土曜祝日関係無く出社している。ただ、今の会社はその分の残業代が出るし、月の残業は60時間を上回らないよう管理もされている。越えると叱られる。
長いことデザイン事務所勤務だった私にとっては、輝くようなホワイトに見えるので、心的な苦痛は、少なくとも勤務時間には無い。
 
職場の近くに世界的にも有名な、多くのゲイ・バーで構成された繁華街がある。
なので、月曜や土曜、祝日の早朝の出勤時の道のりには、前の晩に楽しい時間を過ごした人々と多くすれ違う。
眠気を全身に漂わせた人。まだパーティーを引きずったハイテンションな人。中でもハっとするのは同性で手を繋いでしっぽりと歩く恋人たちだ
 
同性の恋人たちを街で「恋人たち」として見かける事はあまり無い。それを私の職場周辺では多く見かける。彼らにとって、この場所はそれが、少なくとも許される場所なのだ。そして、そんな場所が実在していることに安堵する。
あぁ、よかった。
 
本当はあらゆる場所が許されていなければいけないが、偏見が根強く残る旧態依然とした人々(むろん「珍しく存在する人々」として発見してしまう自分も含め)の存在や、「LGBTQ反対!」と公言してしまう自称保守など、使った痕跡の無い新品同様な脳みそのオーナーたちの存在ゆえに、この繁華街以外では単なる「恋人同士」でい続けることが出来ない。
 
しかし、いくら許される場所でも陽が高くなるころには、土曜や休日でもネクタイを締めたスーツ姿の勤め人たちも増え、反比例して恋人たちは消えていく。
実際には「消えて」いない。繋いだ手を離してしまい擬態してしまう。
12時を過ぎたシンデレラのように存在が許される「魔法」が消えてしまうのだ。
 
そんな儚さからかフィクションの中やステレオタイプな彼らのイメージはクールでオシャレか、きらびやかでカラフル(まさに英語のgayの意味)な存在として描かれるのだろう。
実際には「裸の大将」の色違いのような2人も多いし、なんだったら若い「裸の大将」が2人でいることもある。
陰鬱な様子のスーツ姿の中年もいる。
薬屋で胃腸薬を選んでいるような老人もいる。
 
新聞読んでる奴も。
牛乳飲んでる奴も。
音頭を取ってる奴も。
条件出してる奴も。
 
いつでもドコでもそこらじゅうに、いてEんじゃないだろうか?
 
E!E!E!いてE!