つれづれ2015 ~晩春~

●映画改悪がマジでブーム

『ホーンズ 容疑者と告白の角』『チャッピー』がゴアシーンカットでの日本公開。ここで、改悪された映画の中から、いくつか例を上げる。

リメイク版『キャリー』はもともとR15だったのをPG12に改悪して2013年11月8日に公開されたが、12月21日よりオリジナル版が公開。
ザ・レイド GOKUDO』はR18からR15へ改悪して2014年11月22日に公開されたが、12月13日よりR18版が公開。
『フィフティ・シェイド・オブ・グレイ』はR18からR15へ改悪して2015年2月13日に公開されたが、わずか12日後の2月25日よりR18版が公開。
近年の改悪映画は、後になってオリジナル版を公開する傾向がある。『チャッピー』もオリジナル版を観たいと思っている人は近年の傾向を鑑みて、少なくとも公開初週の週末に観賞するのは避けた方が良さそうだ。

改悪をする人に聞きたいんだけど、たとえばミケランジェロダビデ像を展示する際におちんちんをノミでキレイに削り取ろうと考えた人がいたとして。ダ・ヴィンチのモナリザを細かく切り分けて展示しようと考えついた人がいたとして。彼らと、映画を改悪して公開した自分の差をどう考えるのだろうか?

むろん私は「同じことしているって自覚は無いの?」と聞きたいのだが。

 

●映画版『寄生獣』について。

映画版での「母性」を強く推したアレンジは悪くない。むしろ良かったと思う。それなりに長い原作を2本の映画にまとめたことで見せ場だらけになった脚本も良い。が、とにかく山崎貴監督に演出力が無い。特に染谷、橋本、深津、大森が揃う場面で、それぞれ演技のトーンが合っていないのは素人目にも明らかだ。歌舞伎とオペラと新劇とブロードウェイがそれぞれ一歩も譲らず張り合ったみたいなすさまじい違和感を覚えた。

そんな中、一番評価できるのは『ターミネーター』パート1での、サラ・コナーとカイル・リースの一夜をトリビュートした場面だろう。あのひと声だけで前後2作全部ひっくるめてヨシとしたい。また、一番輝いていたのも、やはり橋本愛ちゃんであろう。恥ずかしくてゴロゴロ転がりたくなる「里美」の歯の浮く原作台詞が、ちゃんと高校生の身の丈から出た言葉のように受け止められた。

橋本愛ちゃんを愛でる映画としてはたいへん素晴らしいけど、瑕疵も看過できない程度にデカイ。

それはそれとして。終盤、焼却炉での戦いで「ダイオキシン」を「放射性物質に変更したことをとやかく言っている人がいるみたいだけど、あざとさは別として科学的にどうこう言うのは野暮天というもの。CGで修正しろとか言うのも、まさしくダビデのおちんちんを削る行為と同じだ。問題は文化的な価値では無い。作者の創意とは、外野が変更してイイものでは無い。

 

スターウォーズパイセンにカツアゲされる

六本木ヒルズで開催中の「スターウォーズ展」。もちろん見てきた。プロップや実際の衣装も良かったけど、スターウォーズをテーマにした絵画が面白かった。ミレイの「オフィーリア」と同じタッチで描かれた懐妊中のアミダラや、レンブラント風に描かれたモスアイズリー港のグリード殺害現場など、なんとも現代アート的。

もちろん「出口はギフトショップを通った先」(エグジット・スルー・ザ・ギフトショップ)形式で、スターウォーズ手ぬぐいや東京会場限定イウォークのぬいぐるみなどを購入してきた。

5月4日には同じ六本木ヒルズの円形会場「六本木ヒルズアリーナ」で、J-WAVE主催のスターウォーズイベントで、なぜかリップスライムとライムスターのミニライブが開催されてたので見てきた。が、一番盛り上がったのは、そのあとのオーケストラによるスターウォーズ・メドレー。

 

●インドから良作イヤミスがゾロゾロ上陸!

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『UGLY』だらしのない前の旦那に娘を預けたら誘拐されて、刑事でもある今の夫が捜査をするのだが、事態はどんどん考えうる限り最低最悪の展開をしていく。

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『NH10』都会のシャレオツ・カップルがバケーションで田舎へドライブに行ったら、現地の男たちによるリンチ殺人を目撃してしまい、追われるハメに。どこへ逃げても事情を察したとたん敵になる田舎村民たちが本気で恐ろしい。

 

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『Badlapur』いきあたりばったりな2人組の銀行強盗に娘と妻を殺された旦那による15年越しの復讐劇は、疑心暗鬼と嫉妬を催させる超イヤな方法!

と、インドではオリジナル・イヤミス絶好調。「インド映画」というカテゴリーではなく、普通に「イヤミス映画」としてレベル高い。

 

●「Filmarks」が始めたウェブマガジン「FILMAGA」のライターになった

みたい。というのも、未だによくシステムが解っていない。

う~~ん、う~~ん、う~~ん。あまり多くは語らないでおこう。